ソフトウェアアーキテクチャメトリクス ―アーキテクチャ品質を改善する10のアドバイス

はじめに

ソフトウェアアーキテクチャメトリクスとは、ソフトウェアプロジェクトの保守性やアーキテクチャ品質を計測し、プロセスの早い段階でアーキテクチャ負債や技術的負債の意図しない蓄積を警告するのに用いるメトリクスです。本書では、現場で実践を続ける10人の牽引者（Christian Ciceri、David Farley、Neal Ford、Andrew Harmel-Law、Michael Keeling、Carola Lilienthal、João Rosa、Alexander von Zitzewitz、Rene Weiss、Eoin Woods）が、すべてのソフトウェアアーキテクトが知るべき重要なソフトウェアアーキテクチャメトリクスを紹介します。本書の執筆陣は、皆が皆、著名なソフトウェアアーキテクチャの記事や書籍を出版し、国際的なイベントに定期的に参加し、実践的なワークショップを開催しているアーキテクト達です。

筆者らは皆、理論と実践のバランスを追求していますが、本書は理論よりも実践と実装を重視した書籍となっています。本書は、すでに試されて効果のあった内容を、貴重な経験やケーススタディと共に提供するものです。本書は、アーキテクチャの品質を向上させることだけに焦点を当てた書籍ではありません。個々の状況やトレードオフを考慮したやり方で、メトリクスをビジネス上の成果に結びつけることにも焦点を当てます。

ソフトウェアアーキテクチャメトリクスに関しては、多くの人が知りたがっている一方で、参考にできる情報源がまだまだ少ない状況です。本書がそうした状況に変化を与えること、そして、読者が適切なKPIを設定し、的確かつ洞察力に満ちた方法で結果を計測する役に立つことを願っています。

筆者らは、私たちを再び結集させ、一緒にソフトウェアアーキテクチャメトリクスの本を書くアイデアを提供してくれたGlobal ...