3章好奇心をあらわにする

プロダクトマネージャーとして働き始めた当時は、データサイエンティストというものに怯えていました。私はこれまで「数学徒」だったことはありません。複雑な方程式をホワイトボードに書き上げてオタクにしかわからないジョークを言うのを痛切に理解したいと思っていました。プロダクトマネージャーになって最初の1年ほどは、周囲のデータサイエンティストのそばをつま先立ちでそっと歩き回っていましたが、何をしているのかよく理解できず、私に説明する気もないのだろうと思っていました。これぞ天才というような人たちでした。そんな人たちがわざわざ時間を割いてまで、幼稚園レベルから教えてくれるはずがありません。

1年ほど経つと、このやり方では自分の仕事がますます難しくなるだけだと確信しました。データサイエンティストが提供するものは多いはずなのに、私の直属のチームにはいないので何をどう頼めばいいのかもわかっていませんでした。そこで、カフェインを摂取して不安でやけくそな気分になったとき、データサイエンスチームの人にちょっと話せないか声をかけたのです。それは短い電子メールでした。

件名:コーヒーどうですか?

こんにちは! 今週も良い滑り出しでありますように。今あなたがやっていることについてちょっと知りたいのですが、今週どこかでコーヒーでもどうですか? 木曜の朝とか。

よろしくお願いします!

送信ボタンを押して、迫り来る不安や気まずさから逃れようと受信箱からログアウトしました。自分は今、完全に変なことをしてしまったのではないかと思いました。

数時間後、私に届いたのは単刀直入な返信でした。そこには、私が送ったメールのような過度な興奮はまったく含まれていませんでした。その週の木曜、私たちはコーヒー(「ミーティング」と呼ぶのをためらうものでした)を共にしました。とても良い話ができ、互いに共通の興味(2人ともフェンダーのジャズマスターが好きなギタリストだった!)があることがわかり、他にも一緒に働く上で重要な気づきが得られました。そして、このデータサイエンティストはプロダクトチームから阻害されていると感じていたこともわかったのです。これは私がデータサイエンスのチームに感じていたことと同じでした。自分のしていることに誰も興味を持ってくれないのだと考えるうちに、自分も ...

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