16章体験は感情曲線で評価できる
16.1 初めてのレンズ
16歳のとき、わたしは初めての職業としてプロのエンターテイナーを選びました。地方のアミューズメントパーク†1で、ショーの団員になりました。たくさん練習してきたジャグリングのスキルを生かしてショーに出演することを期待していましたが、結局はたくさんの雑用を組み合わせた仕事になりました。あやつり人形を操作したり、アライグマの着ぐるみを着たり、舞台裏で音響調整をしたり、観客参加型のコメディショーで司会を務めたりしていました。しかしある日、座長の手品師Mark Trippがわたしのところに来て言いました。「聞いてくれ。東地区の新しいステージがもうすぐ完成する。音楽歌劇ショーを向こうのステージに移動させて、わたしがこちらで手品ショーをやろうと思っている。わたしが休みの日には、穴埋めのショーが必要だ。そこで、君とTomでジャグリングショーをやってくれないか?」
[†1] マサチューセッツ州アガワムのリバーサイド・パークです。現在のシックス・フラッグス・ニュー・イングランドです。ちなみに、Paul Osborneのショー一座です。このパークには、運命的なものを感じています。わたしの祖父母は1930年代にこの場所で出会いました。
もちろん、わたしは大興奮でした。それまでも、Tomとわたしは暇を見つけては一緒に練習し、いつか自分たちのショーをやれる日を待ち望んでいたからです。2人で議論を重ね、大まかな台本を作りました。さまざまな芸の簡単な説明と、芸と芸の間をつなぐ小話やジョークを書き込みました。試演に向けて心の準備ができるまで、稽古を繰り返しました。数日後、とうとう晴れ舞台の日となり、実際の観客の前でショーを行いました。最初にてんびん棒のジャグリングから始めて、輪っかを使った芸、こん棒の芸、その後にこん棒の投げ合い、そして最後に最も難しい5個のボールを使った芸を披露しました。自分たちのショーをやるという体験は、とても痛快でした。最後にお辞儀をして、わたしたちは意気揚々と楽屋に引き揚げました。 ...
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