1章マイクロサービスとは
私が第1版を執筆してから5年以上経ちますが、その間にマイクロサービスはますます人気のアーキテクチャの1つになっています。その後の爆発的な人気は、私の功績であるとは言えません。しかし、マイクロサービスアーキテクチャ(MSA)の利用が急拡大しているということは、私が過去に得たアイデアの多くが今や十分にテストされており、以前のやり方が支持を失い、同時に新しいアイデアが入り込んできたことを意味しています。そこで、今一度、マイクロサービスを機能させる中心となる概念を強調しつつ、マイクロサービスアーキテクチャの本質を浮き彫りにする時が来たのです。
本書は全体として、マイクロサービスがソフトウェアデリバリのさまざまな面に与える影響についての概観を示すことを目的としています。本章ではまず、マイクロサービスの背後にある中心的な概念、ここに至るまでの先行技術、そしてこのアーキテクチャが広く使われている理由を見ていきます。
1.1 マイクロサービスの概要
「マイクロサービス」は、ビジネスドメインを中心にモデル化された、独立してリリース可能なサービスです。サービスは機能をカプセル化し、ネットワーク経由で他のサービスからアクセスできるようにします。この構成要素から、さらに複雑なシステムを構築します。例えば、あるマイクロサービスは在庫を表し、別のマイクロサービスは注文管理を、さらに別のマイクロサービスは発送を表し、それらがまとまってECシステム全体を構成します。マイクロサービスは、発生する恐れのある問題を解決するために多くの選択肢を提供することに重点を置いた、アーキテクチャの選択肢です。
マイクロサービスはサービス指向アーキテクチャ(SOA)の一種です。サービス境界の引き方については意見が分かれるところですが、独立してデプロイできることが重要です。マイクロサービスは技術に依存しないものであり、それが利点の1つです。 ...
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