6章CPU
CPUはあらゆるソフトウェアの原動力であり、システムパフォーマンス分析の最初のターゲットになることが多い。この章では、CPUのハードウェアとソフトウェアを説明し、パフォーマンスの改善方法を見つけるためにCPUの使用率をどのように解析すればよいかを示す。
高レベルでは、システム全体でのCPUの使用率をモニタリングしたり、プロセスやスレッドごとの使用状況を解析したりすることができる。低レベルでは、アプリケーションとカーネルのコードパスをプロファイリング、解析したり、割り込みのCPU使用状況を解析したりすることができる。最低レベルでは、CPUの命令実行やサイクルのふるまいを解析できる。さらに、タスクがCPUを使える順番を待つためのスケジューラレイテンシ(これによってパフォーマンスは下がる)などのふるまいも調べられる。
この章での学習目標は次の通り。
- CPUのモデルとコンセプトを理解する。
- CPUハードウェアの内部構造を頭に入れる。
- CPUスケジューラの内部構造を頭に入れる。
- CPU分析のさまざまなメソドロジの筋道をたどる。
- ロードアベレージとPSIを解釈できるようになる。
- システム全体とCPUごとの使用の特徴を明らかにする。
- スケジューラレイテンシの問題を見つけて定量化する。
- CPUサイクル分析で効率の悪い部分を明らかにする。
- プロファイラとCPUフレームグラフでCPUの使用状況を調査する。
- CPUを消費するソフトIRQとハードIRQを明らかにする。
- 割り込みCPUフレームグラフやその他のCPU指標のビジュアライゼーションを解釈する。
- CPUのさまざまなパラメータを意識に刻み込む。
この章は次の6つの部分に分かれる。前半の3つはCPU分析の基礎を説明する。後半の3つはLinuxベースシステムへの実践的な応用を示す。 ...
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