5章サービスとAPI管理

ほとんどの組織は、データメッシュを望んでいるのではありません。データと統合のメッシュ、つまり分析面と運用面の両方を全体的に管理するという統一されたアプローチを求めているのです。なぜでしょうか。2つのプレーンを整合させることで得られるメリットが大きいからです。運用データアーキテクチャは分析データアーキテクチャと対照的です。なぜなら、運用プレーンはコマンドを処理し、予測と小さなデータセットのリアルタイム処理が必要です。これに対し、分析プレーンはデータの読み出しに重点を置き、大きなデータセットを使用し、それほど時間的な制約がないような複雑なデータ分析が必要だからです。しかし、(データのように)APIをどのようにプロダクトとして扱うべきか、アプリケーションとドメインの境界をどのように設定すべきかといったドメインモデルには、多くの重なりがあります。ビジネスケイパビリティは、運用や分析の視点でアーキテクチャを見ても同じものです。これらの機能を提供するアプリケーションの背後には、それらを管理し、稼働させるチームがいます。チームが開発に使用する言語も同じです。アプリケーションの設計に影響を与える一意のコンテキストは、データプロダクトやAPIの設計に影響を与えるコンテキストと一致します。さらに、API管理において、アプリケーションの疎結合化や自律的でアジャイルなチームへのシフトは、データメッシュアーキテクチャへのシフトと似ています。したがって、データ管理とAPI管理に同様のベストプラクティスを適用することは理にかなっています。

この章ではAPI管理、サービス指向アーキテクチャ(SOA)、そのほか多くのリアルタイム統合とデータパターンを取り上げます。すべてのデータ専門家がAPI管理に精通しているわけではありません。このため、最初の節では、SOAとAPIが何なのかについて理解してもらいたいと思います。データ管理の分野においてAPI管理から学べることはたくさんあります。次に、過去10年間のベストプラクティスと、複雑な統合レイヤーを構築する際に生じるスケーラビリティの問題について見ていきます。最後に、ドメイン駆動設計とデータプロダクトの管理を関連づけ、その観点からAPIをどのように管理すべきかを検討します。この章を読み進めば、最新のサービス指向アーキテクチャをしっかりと理解できます。このアーキテクチャを活用すれば、分散型ソフトウェアシステムやリアルタイムソフトウェアシステムのスケーラビリティが実現できます。また、このアーキテクチャが大局的に見て、 ...

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