11章データを価値に変える

この章では、多くの人がデータ管理の中で関心を持つ部分について説明します。それは、ビジネスインテリジェンスやアドバンストアナリティクスなどのインテリジェントなサービスによってデータを価値に変えることです。この章では、データを提供する側のアーキテクチャについてはこれまでに説明したことを念頭に置きながら、データを消費する側のアーキテクチャに焦点を当てます。

さっそくですが、筆者の考えを述べさせてください。消費側のユースケースでは、さまざまなドメインやデータプロダクトからデータを組み合わせる必要があります。この作業は技術レベルでも組織レベルでも複雑です。したがって、消費者に焦点を当てたデータは、データプロダクトとは異なる方法で管理することを提案します。ここでの関心事は、データをまとめ、さまざまなビジネスユースケースのために組み合わせることです。データを価値に変え、ユースケースに特化したサービスを利用する、ということです。そこで、この章の大部分をこのトピックに費やします。

データを消費する側は、アーキテクチャの中で最も複雑な部分でもあります。なぜなら、ビジネス上の問題にはそれぞれ独自のコンテキストと要件があるからです。消費側では、多種多様なツール、領域、役割、作業が想定されるため、標準化は困難です。

ビジネス要件は、必ず最優先で考えなければなりません。データをインサイトや行動に変えるには、情報の流れを理解し、その知識を使ってビジネスチャンスを見つけることが必要です。最初は、一度限りのプロジェクトとして始まるかもしれません。しかし、重要なデータに基づいて、組織に対して継続的に価値を提供するソリューションを開発することが理想です。ビジネス要件に応じて、さまざまな技術、ツール、フレームワークを使用することになるかもしれません。 ...

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