2章IEEEイーサネット標準規格

イーサネットの標準化は、米国電気電子技術者学会(IEEE:Institute of Electrical and Electronics Engineers)が行っている。IEEE(「アイ・トリプル・イー」と発音)はニューヨークに本部を置く、160カ国以上で43万人を超える会員を擁する組織である。世界でも最大の規模を持つ専門家の組織のひとつであるIEEEは、研究・技術的な会議を開催し、論文誌(『トランザクションとジャーナル』)と会員誌を年150冊以上発行している。IEEEはまた、電気通信、情報技術、ナノテクノロジ、電力関係の製品やサービスといった広い範囲の業界の標準規格も開発している。

IEEE Standard Association(IEEE-SA:IEEE標準化組織)は1,400以上の標準規格または開発中のプロジェクトを主催しており、イーサネット標準規格はそのほんの一部でしかない。IEEE-SAはIEEEに所属するボランティア技術者で構成されており、国家を公式に代弁するものではない。ただし、IEEEの標準規格は国家的な標準化グループ(たとえば米国のANSI、ドイツのDIN)や国際的な標準化組織(たとえばISOやIEC)によって公式に採用されることもある。

IEEE標準規格は、産業界、各国政府、あるいは協調して作業に取り組むその他の組織の技術者らが、標準規格作成のためのIEEE-SAフレームワークに従って開発する。標準化プロセスの参加者が合意できる、ベンダーを問わず利用できるオープンで相互運用が可能な標準を開発するには、参加する技術者が技術的な課題について合意に達しなければならない。IEEE標準規格はどのベンダーが開発した機器でも他のものと適切に動作することを保証するものであり、これにより市場は拡大され、メーカーと消費者は共にその恩恵に浴することができる。 ...

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