4章イーサネットフレームと全二重モード

3章では、イーサネットシステムとその動作原理を簡単に説明した。本章では、イーサネットフレームと全二重(full-duplex)モードの動作をより詳細に取り扱う。イーサネットを構築、運用するには、フレームとイーサネットシステムの動作のすべてを詳細にまで知る必要はない。しかしながら、ネットワークの設計や障害のトラブルシューティングでは、こうした事柄を理解していたほうが助かることも確かだ。

オリジナルの半二重モードメディアアクセス制御(MAC)プロトコルは、信号リピータで接続された同軸ケーブルセグメントに基づいた共有イーサネットチャネルにアクセスするときにステーションが競争するように設計されている。半二重メディアアクセス制御プロトコルは、搬送波検出(Carrier Sense)と衝突検出(Collision Detection)付きのマルチアクセス(Multiple Access)に基づいている。これらを用語をつなげると、CSMA/CDになる。

全二重メディアシステムが開発されたことにより、イーサネットリンクは、CSMA/CDを使用した共有チャネルよりも高性能な全二重モードを使用できるようになった。今日のイーサネットリンクのほとんどは、本章で説明する全二重モードで動作している。

しかし、半二重モードは10 Mb/sあるいは100 Mb/sで動作するツイストペアケーブルを介したイーサネットインタフェースで今もサポートされているため、スイッチポートに半二重モードになっているリンクを介して接続されたステーションを見かけることもあるだろう。オリジナルの半二重モードの動作は、付録Bで詳細に説明している。

ツイストペアリンクセグメントでは、2組の導線を用いて双方向にデータを送信できるので、全二重の動作もサポートされている。ツイストペアメディアシステムに接続され、半二重モードで動作するステーションは、リンクが誤って設定されている、あるいはオートネゴシエーションシステムに問題があると報告するかもしれない。詳細は5章を参照されたい。 ...

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