8章10 Mb/sイーサネット

本章では、毎秒10メガビットで動作するイーサネットメディアシステムの信号とメディアコンポーネントを説明する。ここではまた、10 Mb/sの銅線と光ファイバのケーブルセグメントの基本的な構成ガイドラインも取り上げる。

10 Mb/sイーサネットシステムでは、2種類の同軸ケーブルセグメントを用いていた。一方は直径がおよそ1/2インチの同軸ケーブルを用いたオリジナル版システムで「シックイーサ」(Thick Ether)などと呼ばれていた。他方は直径がおよそ1/4インチのケーブルを使用する「シンイーサ」(Thin Ether)システムである†1。シックイーサとシンイーサのシステムでは、イーサネットインタフェースとケーブルを接続するのにメディアアタッチメントユニット(MAU:Medium Attachment Unit)を使用していた。これは、トランシーバとも呼ばれていた。

[†1] 監訳注:「Thick」は「太い」、「Thin」は「細い」の意味。英語ではそれぞれ「thick coax」(太い同軸ケーブル)、「thin coax」(細い同軸ケーブル)と呼ばれている。

インタフェースとMAUを接続するのはアタッチメントユニットインタフェース(AUI:Attachment Unit Interface)で、こちらはトランシーバケーブルと呼ばれていた。シンイーサインタフェースは、たいてい内部にトランシーバを、インタフェース部分には同軸ケーブルに直接接続できるBNC同軸コネクタを装備しており、外付けのトランシーバを介した接続よりも安価かつ簡便に利用できるようになっていた。同軸ケーブルシステムの一部であった外部トランシーバ(MAU)とトランシーバケーブル(AUI)は今ではもう使用されていない。 ...

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