10章ギガビットイーサネット

IEEE標準規格は、このタイプのイーサネットメディアシステムに「1000 Mb/s」と「ギガビットイーサネット」という用語を用いている。このシステムは、ツイストペアと光ファイバケーブルのどちらでも動作する。

光ファイバメディア用の1000BASE-Xシステムの仕様は付録802.3zとして開発され、1998年にIEEE標準規格の第34〜39条として採択された。1000BASE-Tツイストペアメディアシステムの仕様は付録802.3abとして開発され、1999年にIEEE標準規格の第40条として採択された。

10.1 ギガビットイーサネットツイストペアメディアシステム(1000BASE-T)

この規格が開発された時点は、シールドなしツイストペア(UTP)ケーブルを用いて毎秒10億ビットを伝送するというのは画期的であった。1000BASE-Tメディアシステムは、もともとは100BASE-TX、100BASE-T2、100BASE-T4メディア標準規格用に開発された信号と符号化の技術を取り混ぜて採用することで、これを実現している。100BASE-T2と100BASE-T4は市場では不成功であったが、そこで用いられていた技術は1000BASE-T標準規格の開発に必須なものであった。

100BASE-T2ファーストイーサネット標準規格は、2組のカテゴリ3ケーブルを介して100 Mb/sでイーサネット信号を送信できる信号符号化方式をベースにしている。1000BASE-T標準規格もこの通信技術を採用しているが、同時に、4組のカテゴリ5以上のツイストペアケーブルを使用するようにも拡張されている。

1000BASE-T標準規格が100BASE-T4システムから採用した技術に、1組の対線を介した信号の同時送受信がある。1000BASE-Tシステムは、非常に好評を博していた100BASE-TXファーストイーサネットシステムのラインシグナリングレートも採用している。同じラインシグナリングレートを保っているので、1000BASE-Tは100BASE-TXリンクでもサポートされているポピュラーなカテゴリ5/5eケーブルでも動作する。 ...

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