18章イーサネットスイッチ
イーサネットスイッチ(switch)はブリッジ(bridge)とも呼ばれる。ネットワークにおける基本的な構成要素であり、あまりにも普遍的に使われているので、深く考えてみたりはしないものだ。スイッチがどのように機能するかをあまり知らなくても、ネットワークは構築できてしまう。しかし、大規模なネットワークシステムを構築しようというのならば、スイッチが内部でどのように動作しているのか、標準規格がどのようにしてスイッチ群を協調して動作させているのかを知っておくのは悪いことではない。
イーサネットを用いれば、かなり小さなものからすごく大きなものまで、極限までシンプルなものから非常に複雑なものまでネットワークを構築できる。家庭内のPCや家電系のデバイスも、イーサネットで接続できる。ホームネットワーク用のスイッチはたいてい安価で、小型で、しかも単純なものである。イーサネットは同様に世界規模のインターネットを接続するが、インターネットプロバイダが使うようなスイッチは値段も高く、大型で、しかも複雑である。
キャンパスネットワークや企業ネットワークはたいてい、いろいろなタイプのスイッチで構成されている。ビルの階単位にある配線室に置かれているデバイスを接続するスイッチはシンプルで、低コストなものである。ビルにあるスイッチすべてをとりまとめ、より大きなネットワークシステムを構成するようなネットワーク中核のスイッチは、大型で、価格も高い。データセンターのネットワークが要求する特別な要件を満たすようなスイッチはおおむね高性能なもので、そうしたネットワークの回復性は高い。
業界の推計によれば、企業向けスイッチの全世界での市場規模は2013年の四半期で50億ドル(米ドル)以上で、年間にすれば200億ドルを超える。2013年の第3四半期にはイーサネットポートが1,000万単位で出荷されたが、そのうち470万個は10ギガビットのものである。巨大で、成長を続けるイーサネットスイッチの市場のニーズを満たすため、いろいろな種類のスイッチが多様な価格帯で提供されている。 ...
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