付録APythonプログラマーのためのC++コード読解法

 本書のコード例は、全てC++で紹介されている。ぼくはほとんどの場合C++でプログラミングをやっていて、C++はぼくが一番得意な言語でもある。とはいえ、Pythonもそれなりに書いている。Pythonは、Sucker Punchで2番目に多く使われているプログラミング言語だ。現在、ぼくらのコードベースには、C++が約280万行、Pythonが約60万行ある。

 きみがPythonプログラマーなら、本書のコード例を読むために、C++でプログラミングをやる方法は学ばないでいい。基本的に、コードはコードだ。ループはループ、変数は変数、関数は関数。見た目の違いは、いくつかある。でも、本書に載っているC++コード例の中に出てくる基本的な考え方は、Pythonへとかなり直接的に翻訳できる。そういう翻訳ができるのがぱっと見では分からない場合でもだ!

 本章では、そういう翻訳について説明する。この付録を読み通したからといって、C++のコードを書けるようにはならないだろう。書くためには付録どころか本1冊まるごとの分量を最低でも要する。でも読む能力なら、格段に向上するはずだ。

 PythonプログラマーにとってC++を読むってのがいかに単純明快となりうるか示す例ほど、イカしたものはない! 以下は、数値の配列の和を計算する単純な関数を、まずPythonで書いたものだ。

def calculateSum (numbers):

    sum = 0

    for number in numbers:
        sum += number

    return sum

 そして、C++で書く。

int calculateSum(const vector<int> & ...

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