まえがき

Awk は 1977 年 (昭和 52 年)、小規模なプログラムを対象に、テキストも数値も容易に操作できる簡潔なプログラミング言語として開発された。1 プログラムは 1 つの仕事しかこなさず、他のプログラムと連携、組み合わせられるという Unix の哲学に沿い、他の Unix ツールと調和し互いに補完し合うスクリプト言語 (scripting lan­guage) を意図していた。

今日の計算機分野は 1977 年当時とは大きくかけ離れている。処理速度で言えば数千倍は高速であり、メモリ容量で言えば数百万倍にもなる。ソフトウェア分野も多種多様なプログラミング言語や環境が開発され、飛躍的な進化を遂げている。インターネットは大量のデータをもたらし、さらに世界中のデータにアクセスできる。Unicode のおかげで、もう 26 文字の英字アルファベットに縛られることもなく、世界中の言語をそのままの文字セットで処理できるのだ。

Awk 自身はもうすぐ 50 歳にもなるが、計算機分野が大きく変化した現在も広く利用されている。どの Unix、Linux、macOS システムでも、さらに Windows システムでも、核となる Unix ツールだ。何も新たにダウンロードする必要がなく、ライブラリやパッケージをインポートする必要もない。単に使えば良い (just use it)。習得は非常に容易であり、ほんの数分間の学習で非常に多くの処理をこなせるようになる。

1977 年当時はスクリプト言語がまだ目新しかった時代で、Awk は最初に幅広く利用されたスクリプト言語だった。その後、他のスクリプト言語が登場し、Awk を補完する存在となり、時には Awk に取って代わるものもあった。1987 年 (昭和 ...

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