11章マルウェア解析
悪意を持ったコードの検知は、サイバーセキュリティの対応において、最も基本的かつ難しい活動のひとつである。コードの断片を解析する際のオプションとしては、大きく静的と動的の2つが存在する。静的解析においては、コード自体を解析し、それに悪意を持った活動を示す指標が存在しているかを確認する。動的解析においては、コードを実行してみて、その挙動やシステムに与える影響を観察し、その機能を判断する。本章では静的解析のテクニックに視点を当てて解説する。
悪意を持っている可能性のあるファイルを扱う際には、解析を行うシステムをネットワークに接続せず、機微な情報を除外した状態で行うこと。さらにシステムが侵入されていると想定される場合は、システムを再度ネットワークに接続する前に、完全な消去と再インストールを行うこと。 |
11.1 利用するコマンド
本章では、Webサイトとの通信を行う際にcurl
を利用し、ファイルの編集にはvi
を、基本的な変換とファイル解析にはxxd
を利用する。
11.1.1 curl
curl
コマンドはクライアントとサーバとの間でネットワークを経由したデータの転送を行う際に用いることができ、HTTP、HTTPS、FTP、SFTP、Telnetを含む多くのプロトコルをサポートしている。curl
は非常に多機能である。ここで説明するコマンドオプションは、機能のごく一部にすぎない。詳細な情報についてはLinux上でcurl
のマニュアルページを参照のこと。
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