16章拠点確立
対象システムへの攻撃が成功し、アクセス権を取得できたならば、次に行うのはリモートアクセスツールを用いた拠点の確立である。リモートアクセスツールはペネトレーションシステムでも重要な要素であり、システムへの継続的なアクセスを可能とするとともに、リモートシステムでのコマンド実行を可能とする。
16.1 利用するコマンド
本章ではnc
コマンドによるネットワーク接続の確立を紹介する。
16.1.1 nc
nc
コマンドはnetcat
という名前でも知られており、TCPやUDP接続やリスナを生成するために用いられる。これは大半のLinuxディストリビューションでデフォルトで利用できるが、Git BashやCygwinには含まれていない†1。
[†1] 訳注:Windows版のnc
は、例えばNetcat for WindowsのWebサイト(https://joncraton.org/blog/46/netcat-for-windows/)から普通に入手可能であるが、ウイルス対策ソフトウェアなどで除去されることが多い。利用の際には留意のこと。
16.1.1.1 主要なコマンドオプション
-l
- 接続を待ち受ける(サーバとして機能する)。
-n
- DNS参照を行わない。
-p
- 接続に用いる、もしくは待ち受けるポートを指定する。
-v
- 冗長モード。
16.1.1.2 コマンド実行例
オライリー社のWebサイトのポート80に対する接続の確立を行うには次のようにする。
nc www.oreilly.com 80
ポート8080に対する接続を待ち受ける際には、次のようにする。
$ nc -l -v -n -p 8080
listening on [any] 8080 ...
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