5章コレクション
ほとんどのプログラムは、複数のデータを扱う必要があります。例えば、コードで口座の入出金を反復処理して預金口座の残高を計算したり、SNSの最近のメッセージを表示したり、ゲームの登場人物のポジションを更新したりする必要があるでしょう。あらゆる種類のアプリケーションにおいて、一連の情報を扱える能力が重要だと言えます。
C#には、配列と呼ばれる単純なコレクションがあります。CLRの型システムにはもともと配列が組み込まれているので効率的なのですが、状況によっては基本的すぎます。幸い、クラスライブラリには、配列による基本的な機能を基にしたもっと柔軟で強力なコレクション型があります。ほとんどのコレクションクラスの基礎となるので、配列から始めましょう。
5.1 配列
配列には、ある特定の型の要素を複数個含むオブジェクトです。各要素は、フィールドと同じくデータの格納場所です。ただしフィールドの場合には格納スロットに名前を付けますが、配列要素には番号が付くです。要素の個数は配列が生存している間は一定なので、生成するときにサイズを指定します。例5-1では新しい配列を生成しています。
int[] numbers = new int[10]; string[] strings = new string[numbers.Length];
どのオブジェクトについてもあてはまりますが、配列を作るには、キーワードnew
の後に型名と配列のサイズを角括弧で括ります。コンストラクタ引数の場合に指定した丸括弧ではありません。上の例でわかるように、サイズを示す式は定数でもよいのですが、それに限りません。2番目の配列のサイズは、実行時にnumbers.Length
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