初めてのTypeScript ―型安全なJavaScriptでWeb開発を加速する

2章型システム

JavaScript's power

Comes from flexibility

Be careful with that!

JavaScriptのパワーの源は

柔軟性にある

それには気をつけろ！

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「1章　JavaScriptからTypeScriptへ」では、TypeScriptでの「型チェッカー」の存在について簡単に説明しました。型チェッカーはコードを調べ、それがどのような動作を意図しているか理解し、おかしなところがあれば教えてくれます。しかし、型チェッカーは、実際どのように機能するのでしょうか？

2.1　型とは何か？

型（type）とは、JavaScriptの値の形状（shape）がどのようなものであるかを説明するものです。「形状」とは、ある値にどのようなプロパティやメソッドが存在しているか、また組み込みのtypeof演算子がそれをどのように表現するか、といったことを指します。

たとえば、次のように"Aretha"という初期値を持つ変数を作成すると、

let singer = "Aretha";

TypeScriptは、singer変数の「型」はstringであると推論、または理解します。

TypeScriptでの最も基本的な型は、JavaScriptの7種類の基本的なプリミティブ型です。

• null
• undefined
• boolean —— trueまたはfalse
• string —— ""、"Hi!"、"abc123"、……
• number —— 0、2.1、-4、……
• bigint —— 0n、2n、-4n、……
• symbol —— Symbol()、Symbol("hi")、……

次に示すそれぞれの値について、TypeScriptは、その値の型が7つの基本的なプリミティブ型のいずれかであると理解します。 ...