ステップ7変分オートエンコーダ(VAE)
私たちはニューラルネットワークという武器を手にしました。ニューラルネットワークと生成モデルが合わさって、多くのイノベーションが起きています。このステップのテーマは変分オートエンコーダ(Variational AutoEncoder:VAE)[10]です。VAEはニューラルネットワークを活用することで、より複雑な表現が可能になります。VAEの導出は全部で3部構成となり、やや長丁場になります。あせらず、じっくり進みましょう。
7.1 VAEとデコーダ
ここでは図7-1を見ながら、これまで私たちがたどってきた道を振り返ります。
まずは図7-1の(1)です。これはデータの確率分布を「1つの正規分布」でモデル化した例です。単純なモデルですが、世の中には1つの正規分布の表現で十分な問題も多くあります。その次が(2)の混合ガウスモデル(GMM)です。GMMは複数の正規分布から構成されるので、1つの正規分布よりも表現力は向上し、より多くの問題に対応できるようになります。しかし、それでもまだ表現できない問題が存在します。
私たちがこれから目指すのは、(3)のような、学習データに合わせて柔軟に形が決まる確率分布です。変分オートエンコーダ(VAE)はニューラルネットワークを活用することで、より複雑な表現が可能となります。図7-1の(3)のような分布も、VAEによって実現できます。本節では、これまで学んだ正規分布とGMMを簡単に振り返り、その流れでVAEへと進みます。 ...
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