まえがき
本書の内容
1章から4章では、実務者である読者に十分な理論と原理について解説し、以降の解説を読み進めていくための基盤を提供します。そして5章から9章ではこの基盤の上に立って、DL4Jを使ったディープラーニングを実践していくための手順を紹介します。具体的には、以下のトピックについて解説します。
- 深層ネットワークの作成
- 高度なチューニングの手法
- さまざまな型のデータのベクトル化
- Sparkを使ったディープラーニングのワークフローの実行
DL4JとはDeeplearning4jの略称であり、両者はいずれも同じツール群を指します。本書ではどちらの語も使用しますが、意味は同じです。
このような構成にしたのは、ディープラーニングについて十分な「理論的基礎」と実運用レベルのワークフローを作れるほどの「実践」を両立した書籍のニーズを感じたためです。本書でのハイブリッドなアプローチは、このような要件を満たしています。
「1章 機械学習の概要」は、機械学習一般についての概念や、ディープラーニングに固有の事柄についての解説です。本書を読み進めていく際に必要な知識を、ここで学びます。本書をできる限り多くの読者に読んでもらうために、このような初心者向けの復習(あるいは入門的な解説)を加えました。
「2章 ニューラルネットワークとディープラーニングの基礎」では「1章 機械学習の概要」で学んだ概念を元に、ニューラルネットワークの基礎を解説します。ニューラルネットワークに関する理論を主に扱いますが、わかりやすい解説を心がけました。「3章 深層ネットワークの基礎」ではさらにここまでの知識を活用し、ニューラルネットワークが深層ネットワークへと発展していく様子を説明します。そして「4章 深層ネットワークの主要なアーキテクチャー」では、深層ネットワークのアーキテクチャーを4つ紹介し、以降の章のための基礎とします。 ...
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