1章生成モデリング
この章では、生成モデリングがどのような分野のものなのかの概要を紹介します。最初にモデルが生成的であるというのはどのような意味かを見て、より広く研究されている識別モデリングとはどう違うのかを理解します。その後、生成モデリングのフレームワークと中心となる数学的な考え方を紹介します。これらを用いることで、生成モデリングで解くことのできる問題に対する一般的なアプローチを構造化できます。
生成モデリングの考え方を理解した後で、生成モデルの最初の例(単純ベイズ)を作成します。生成モデルは本質的に確率モデルです。確率モデルにより訓練データセットにはない新しいデータを生成できることが分かりますが、この種のモデルが、作り出せる作品のサイズや複雑度が増すにつれ、なぜ失敗することがあるのかについても考察します。
1.1 生成モデリングとは何か?
広義の生成モデルは、次のように定義できます。
生成モデルは、データセットがどのように生成されるかを確率モデルの観点から記述する。このモデルからサンプリングすることで、新しいデータを生成できる。
馬の画像のデータセットがあるとしましょう。みなさんは、馬のように見えることに関する一般的なルールをモデルに学習させることで、まだ存在しない本物らしく見える馬の画像を新しく生成できるモデルを構築したいと思うかもしれません。これは、生成モデリングで解決できる種類の問題です。典型的な生成モデリングの大まかなプロセスを図1-1に示します。
まず、生成しようとしている物の例をたくさん含むデータセットが必要です。これを訓練データと言い、そのようなデータポイントの1つを観測と呼びます。
それぞれの観測は、多くの特徴
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