7章 Diameterを使ってみる
これまでの章で、Diameterプロトコルの基礎知識として、ベースプロトコルとアプリケーションの紹介をしてきた。本章では、このDiameterプロトコルの実践編として、freeDiameterを用いて実際にDiameterを使ってみることとする。
7.1では、freeDiameterについて解説する。
7.2および7.3では、freeDiameterのインストール方法と設定方法、7.4では、freeDiameterを構築する際に必要となる証明書の作成方法について解説する。
7.5と7.6では、freeDiameterを利用した「ポリシー制御」と「証明書を使った認証・認可」の動作を確認することでDiameterプロトコルを体験する。
7.7では、実際に運用する際の課題について解説する。
7.1 freeDiameter入門
freeDiameterは、独立行政法人情報通信研究機構と慶應義塾大学が共同で開発し無償公開されている、ネットワークにおけるユーザ認証や権限付与、サービス利用に対するアカウンティングのための基盤ソフトウェアである。ここではfreeDiameterの全体の構成およびサポートする機能について簡単に解説する。
(1) 全体の構成
「1.2 Diameterプロトコルの構造」で解説したように、Diameterプロトコルは、ベースとなるプロトコル部分と、複数のアプリケーションと呼ばれる拡張部分から構成されている。freeDiameterも、これに対応してベース部分と拡張部分から構成されている。
ベース部分は、RFC 3588およびdraft-ietf-dime-rfc3588bis-34に準拠したDiameterのベースプロトコルを実装している。 ...
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