まえがき
eBPFは、クラウドネイティブコミュニティの範囲を超えて、近年最も注目されている技術の1つです。ネットワーク、セキュリティ、可観測性など、さまざまな分野で、eBPFをプラットフォームとして使用した次世代の強力なツールやプロジェクト(https://ebpf.io/applications)が生み出されてきました。現在でもその数は増え続けています。これらのツールやプロジェクトは、従来のものよりも高性能かつ高精度です。eBPF関連のカンファレンス、例えばeBPF Summit(https://ebpf.io/summit-2022)やCloud Native eBPF Day(https://oreil.ly/q9-p3)には数千人の参加者や視聴者が集まります。執筆時点では、eBPF Slack(https://ebpf.io/slack)の登録者数は14,000人を超えます。
eBPFが多くのインフラ関連ツールの基盤技術として選ばれているのはなぜでしょうか。eBPFはどのようにして性能を向上させているのでしょうか。性能情報のトレースからネットワークトラフィックの暗号化までの多岐にわたる技術分野で、eBPFはどのように役立つのでしょうか。
本書の目的は、eBPFコードの基本的な書き方の紹介はもちろん、さらにeBPFがどのように機能するかを理解してもらい、これらの質問に答えることです。
対象読者
本書の対象読者はeBPFに興味があり、その仕組みをもっと知りたいと思っている開発者、システム管理者、オペレーター、学生たちです。本書はeBPFプログラムを自分で書くための基礎知識を提供します。eBPFは次世代の計測ツールを構築するための基盤となっているため、今後数年間はeBPF開発者に働き口があるでしょう。 ...
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