1章Pythonic思考

プログラミング言語のイディオムは、ユーザによって定義されます。何年もかけてPythonコミュニティは特定のスタイルに沿ったコードを表すのにPythonicという形容詞を使うようになりました。Pythonicスタイルは、コンパイラによって統制されているわけでも強制されているわけでもありません。Python言語を使い仲間と作業する経験から時間をかけて発展してきたものです。Pythonプログラマは、明示すること、複雑さよりは単純さを選ぶこと、可読性を最大化することを好みます(「Zen of Python」を読むには「import this」とタイプする)。

他の言語に馴染んできたプログラマは、Pythonをあたかも、C++、Javaあるいは自分が一番詳しい言語と同じであるかのように書こうとするものです。新人プログラマはPythonで表現可能な膨大な範囲の概念を使いこなすので精一杯でしょう。すべての人がPythonで最も普通のことを最良に、Pythonicに行う方法を知っておくことが重要です。そのパターンは、読者が書くすべてのプログラムに影響します。

項目1 使用するPythonのバージョンを知っておく

本書では、コード例の大半がPython 3.7(2018年6月リリース)の構文に従います。Python 3.8(2019年10月リリース)構文の例もいくつか紹介します。本書ではPython 2は扱いません。

多くのコンピュータには、標準CPythonランタイムの複数のバージョンがプリインストールされています。しかし、コマンドラインでpythonと入力したときのデフォルトは決まっていません。Pythonは、通常、python2.7のエイリアス(別名)ですが、古いバージョンの ...

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