12章リポジトリの管理
この章では、Gitリポジトリの公開方法を説明し、共同開発のためにリポジトリを管理、公開するためのアプローチを紹介する。これは議論を呼ぶ分野であり、そこからGitのリポジトリ管理についてのさまざまな考え方が引き出される。
まず、Gitサーバーをセットアップし、利用できる各種プロトコルを介して公開リポジトリにアクセスできるようにする方法を説明する。次に、開発ニーズに合わせてリポジトリへの中央集権的または分散的なアクセスを提供するために、リポジトリの構築方法としてどのようなものが可能かを説明する。それに基づき、開発者が果たす役割を理解することの重要性を示す。これは主として開発者であるとともにメンテナーであるという職務の二重性の問題を取り上げることになる。また、複数の分散リポジトリを扱わなければならないときに活用できるテクニックについても説明する。最後にリポジトリのフォークをめぐるさまざまな事情について説明する。
サーバーという単語について
「サーバー」という言葉は大雑把にだらしなく使われており、さまざまな異なる意味を持たされている。Gitや本書もその例外ではない。そこで、サーバーは何であって何でないか、何をして何をしないか、Gitはサーバーをどのように使っているかを明らかにしておこう。
厳密に言えば、Gitはサーバーを必要としない。中央集権的なサーバーが必要になることが多いほかのバージョン管理システムとは異なり、Gitリポジトリをホスティングするためにはサーバーが必要だというマインドセットに引きずられる必要はない。
Gitリポジトリでサーバーを設けるためには、リポジトリを入手したり更新内容を交換したりするときに便利に使える固定的な位置や既知の位置を提供するという以上の理由が必要になることが多い。Gitサーバーは、ある種の認証やアクセス制御の機能も提供できるのである。 ...
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