実用 Git 第3版

付録BGitのインストール方法

Gitを使いたければまずインストールしなければならない。インストールの手順は、OSのベンダーとバージョンによって大きく変わる。ここでは、Linux、macOS、Microsoft Windowsへのインストール方法を説明する。Gitのソースコードを入手してビルド、インストールする方法も説明する。

B.1　Linuxのバイナリディストリビューションの利用

Linuxベンダーの多くは、新しいアプリケーション、ツール、ユーティリティを簡単にインストールできるようにするために、コンパイル済みのバイナリパッケージを提供している。個々のパッケージは依存関係を指定しており、パッケージをインストールするコマンド一発でディストリビューションのパッケージマネージャーが自動的に必要なパッケージもインストールしてくれる。

B.1.1　Debian/Ubuntu

ほとんどのDebian、Ubuntuシステムは、Gitをパッケージコレクションとして提供している†1。コレクションのほかのパッケージのことは気にせず、ニーズに合うパッケージを選んでインストールすればよい。Ubuntuの12.04リリースまでは、メインのパッケージはgit-coreという名前だったが、12.04リリース以降は単純にgitという名前になった。その他のGitパッケージとしては、git-gui、gitk、gitweb、git-svnといったものがある。

[†1] 監訳注：2023年12月時点のDebianの安定版である12.4（bookworm）でインストールされるGitのバージョンは2023年2月にリリースされた2.39.2である。最新バージョンのGitを使いたい場合はDebianのテスト版（testing）または不安定版（unstable）でGitのパッケージをインストールするか、ソースからビルドしてインストールしよう。UbuntuのLTS版ではGitの古いバージョンがインストールされる。2023年12月時点のUbuntuのLTS版である22.04.3 ...