まえがき

この本はJavaScript関連で私が書いた2冊目の本ということになりますが、「思いがけない展開になったものだ」と自分自身でも驚いているところです。というのは、2012年頃まで、JavaScriptに対して偏見をもっていたからです。自分自身の「転向」に少し戸惑いを感じているのです。

そんなプログラマーは今でも少なくないのかもしれませんが「JavaScriptなんて、アマチュアプログラマーが真っ先に手を出すオモチャみたいな言語さ」という印象をもっていたのです。きちんと学んだわけでもなかったにもかかわらずです。

JavaScriptはプログラミングを取っつきやすいものにしてくれました。ウェブブラウザは誰でも使っていますし、急増していたウェブサイトの裏側にあるJavaScriptのコードは誰でも簡単に見ることができました。多くの人が互いのコードを読みながらトライ&エラーで学び、不十分な理解のまま、時には真似をするには値しないコードを模範にしていることも多かったのです。

私の場合は幸運でした。この言語をしっかり学ぶ機会を得た結果、まったくオモチャなどではない、非常に強固な基盤の上に構築された、強力かつ柔軟かつ表現力豊かな言語であることを認識するに至ったのです。

この本に関して、できるだけJavaScriptにまつわる「事実」を書くよう心がけました。しかし「意見」が入り込むのを避けることはできませんでした。私の意見に関しては、もちろん反対意見も歓迎します。また、経験豊富な開発者の方々に意見を求めるのもよいことでしょう。

今はJavaScriptの学習者にとってエキサイティングな時です。1章で詳しく説明しますが、新しいJavaScriptの標準(ES2015あるいはES6などと呼ばれています)が策定され、ほとんどのJavaScriptのエンジンがこれに対応しつつあるのです。 ...

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