アイソモーフィックJavaScript

12章WalmartLabsでのアイソモーフィックなReact

Jason Strimpel, Maxime Najim

　

この章では、WalmartLabs（http://www.walmartlabs.com/）でのアプリケーションアーキテクチャーの変遷を解説します。我々は快適で安全なJavaという殻を破り、アイソモーフィックJavaScriptという美しい羽根を広げようとしています。この羽化のプロセスを、読者と共有したいと思います。

12.1　種の起源

2013年の初頭以来、Walmartはさまざまな変革を経験してきました。Walmartの顧客にとって、実店舗とWebサイトでのエクスペリエンスをシームレスに統一しようという試みが行われています。この実現をめざす幹部たちの強いリーダーシップが、変革を後押ししています。ここでは多くの投資が、テクノロジーとインフラストラクチャーに対して行われています。投資は進化論的なプロセスに基づいています。テクノロジーあるいはプロジェクトの中には生存して繁栄するものもあり、適応できず絶滅するものもあります。絶滅の理由はさまざまですが、そこから何かを学んで今後に生かすことはできます。中でも本書との関連が強そうな最近の例が、Walmart.com（http://walmart.com/）のUIレイヤーでJavaとBackboneそしてHandlebarsの組み合わせが徐々に使われなくなったという事実です。テクノロジーが絶滅しても、課題は残ります。事業や活動が終了しないかぎり、完全な絶滅はあり得ません。異なるアプローチ（願わくは、よりよいアプローチ）を使って、課題の解決が再び試みられます。このことを端的に示しているのが図12-1のツイートです。