1章クラウドでの革命

世界の始まりなどなかったのだ。なぜなら、世界は円を描くようにぐるぐる回っているが、円には始まりの点がないのだから。

――Alan Watts(イギリスの作家、1915~73)

今は革命の真っ只中にあります。これは実際には3つの革命です。

第1の革命はクラウドの創造で、その概要と重要性をこのあと説明します。第2の革命はDevOps(デブオプス)の黎明で、これが何を意味し、運用をどのように変えようとしているかも明らかにします。第3の革命はコンテナの到来です。これら3つの変化の波がもたらす相乗効果から、ソフトウェアの新たな世界が生み出されようとしています。それがクラウドネイティブな世界であり、この世界のオペレーティングシステムと目されているのがKubernetes(クーバネティス)です。

この章では、こうした革命の歴史と重大性を簡潔に振り返り、変化の結果として、ソフトウェアをデプロイおよび運用する方法全般にどのような影響が及んでいるかを考えます。また、クラウドネイティブの意味について、および、ソフトウェアの開発、運用、デプロイ、エンジニアリング、ネットワーキング、あるいはセキュリティを業務としている場合、この新しい世界で直面することになると想定される変化について概観します。

このように連動する革命の影響を目の当たりにすることで、コンピューティングの将来は、クラウドベースでコンテナ化された分散システムが、Kubernetesプラットフォーム(または類似の基盤) 上で、自動化を通じて動的に管理されるものになると考えられるようになっています。そうしたアプリケーションを開発および実行する技術、つまりクラウドネイティブDevOpsこそが、本書でこれから検討していくテーマです。 ...

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