7章何のビジネスなのか?
お金の儲け方が、追跡する指標に影響する。長期的に考えると、ビジネスで最もリスクの高いのはお金を儲ける部分だ。
多くのスタートアップは製品を作れる。技術的問題も解決できる。なかには適切な(時には大量の)オーディエンスを魅了するところもある。しかし、お金を稼げるスタートアップは少ない。TwitterやFacebookのような巨人であっても、大量に抱えるユーザーからお金を引き出すことに苦心している。
スタートアップといえばレモネードの屋台を思い浮かべてしまうが、それにはちゃんとした理由がある。ビジネスを学ぶ方法として、わかりやすく、起業家精神にあふれ、リスクが低いからだ。それから、レモネードの屋台のように早い段階からビジネスモデルを用意しなければいけないからだ。最初はレモネードを無料でふるまって常連客を作り、マネタイズを遅らせることも合理的で戦略的である。
レモネードの屋台のビジネスモデルを作れと言われたら、かかったコストよりもレモネードをたくさん売ると答えるだろう。コストには以下のようなものが含まれる。
- 変動費となる材料費(レモン・砂糖・カップ・水)
- 一回限りのマーケティングコスト(屋台・看板・冷却器・弟や妹に店番をさせるおこづかい)
- 時間単位の人件費(子どもの頃は見逃しがちだ)
収益はレモネードの価格と売れたカップ数をかけたものだと答えるだろう。
ビジネスで最もリスクの高い部分は何かと聞かれたら、そこにはレモンの価格変動・天気・近隣の人たちの客足などが含まれるはずだ。
ぼくたちが実際に会ったことのある成功した創業者たちは、ビジネスの具体的なことと抽象的なことを両方うまくやっていた。ページレイアウトやメールの件名で悩んでいることもあれば、「一回限りの販売」と「定期的な販売」の影響力の違いについて考えていることもある。おそらくこれは、単にビジネスを運営するだけでなく、最高のビジネスモデルを発見しようとしているからだろう。 ...
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