5章ボックス1:ビジネスプロブレム

Lean UXキャンバスのボックス1: ビジネスプロブレム

図5-1 Lean UXキャンバスのボックス1: ビジネスプロブレム

Lean UXを円滑に進めるためには、チームにはソリューションではなく、解決すべき課題が与えられなければなりません。しかし多くの場合、これらの「ソリューション」は要件や機能仕様として表現されます。では、こうした要件を用いる方法が間違っているのだとしたら、正しい方法とは何なのでしょうか? それは、チーム全体で、ステークホルダーやクライアントが解決しようとしている課題を理解し、それを表現することです。これが「ビジネスプロブレム・ステートメント」の役割です。ビジネスプロブレム・ステートメントを定義することで、プロダクトディスカバリ作業が行われることが明確に要求されるようになり、それに基づいてチームの作業が再構成されます。

ビジネスプロブレム・ステートメントの表現方法にはある程度の柔軟性がありますが、最低でも、以下の条件が満たされるべきです。

  • 実装すべき機能ではなく、チームが解決すべき具体的な課題を示す。
  • 顧客中心の視点をチームに浸透させ、顧客の成功が最終目標に組み込まれるようにする。
  • 何がスコープの対象で、何が対象外かを明確にするガイドラインと制約を明確にし、チームの労力を集中させる。
  • ビジネスのKPI(主要業績評価指標)、または企業がターゲットオーディエンスに求める具体的な成果として表現された、明確な成功の基準を明記する。
  • ソリューションを定義しない(これは思っている以上にとても難しい)。 ...

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