はじめに

ソフトウェア開発の最大の嘘は、「依然として」フェーズ2です。

過去30年の間にデジタル・プロダクト/サービスの開発に携わったことがある人なら、自分の役割が何であるかにかかわらず、この嘘に心当たりがあるのではないでしょうか。もしチームが「自分たちはアジャイルだ」と主張するのなら、フェーズ2はまだ有効な概念なのでしょうか? チームは各スプリントで機能やアイディアに優先順位をつけ、ローンチに向けて忙しく作業を続けながら、優先順位の低いアイディアを次のフェーズに押しやります。しかし、そのフェーズはいつまで経っても実現せず、その機能が実装されることもありません——二度と耳にすらしなくなってしまうのです。私たち筆者は、デザイナー、プロダクトマネージャー、コーチ、コンサルタントとして、何百、何千ものワイヤーフレーム、プロダクトバックログアイテム、ワークフローがこれと同じ運命をたどるのを見てきました。

しかし、その理由は何なのでしょう? アイディアそのものに欠陥があったから? 市場に変化が起きたから? リリースしたプロダクトやサービスがユーザーニーズやビジネスゴールを満たしていたから? 単に忘れられてしまったから?

エリック・リースは、著書『リーン・スタートアップ』(日経BP社)のなかで、「最大の価値を持つアイディアに最大のリソースを投じるための方法」について述べています。リースが奨励する手法の基盤となっているのは、実験的アプローチ、アイディアの素早いイテレーション(反復)、柔軟なプロセスです。真にアジャイルな環境では、チームは継続的に機能をリリースするので、コードのデプロイはたいした問題にはなりません。つまり、フェーズ2の概念自体が無意味になるのです

リーン・スタートアップとユーザーエクスペリエンス(UX)のデザインを組み合わせ、共生的に共存させるもの。それが、Lean ...

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