5章ファイルシステム

この章では、ファイルとファイルシステムに焦点を当てます。UNIXの「すべてはファイルである」という考え方はLinuxでも生きています。すべてではありませんが、Linuxのほとんどのリソースはファイルです。ファイルとは、学校で書いた作文から、(安全で信頼できるサイトから)ダウンロードした愉快なGIFまで、すべてを含みます。

echo "Hello modern Linux users" > /dev/pts/0というコマンドを実行すると、画面に「Hello modern Linux users」と表示するようなデバイス(あるいは擬似デバイス)もファイルです。ファイルという概念とこれらのリソースが頭の中でうまく結びつかないかもしれませんが、実際に通常のファイルと同様の方法で、同様のツールでアクセスできます。他にも、カーネルは(「2.3.1 プロセス管理」で説明されているように)プロセスのPIDやプロセスの実行ファイルなど、動作中のプロセスに関するさまざまな情報をファイルとして公開しています。

これらのものに共通しているのは、ファイルを開く、ファイルの情報を集める、ファイルに書き込む、といったことをするための標準的で統一されたインタフェースです。Linuxでは、ファイルシステム(https://www.kernel.org/doc/html/latest/filesystems/)がこのようなインタフェースを提供しています。このインタフェースがあり、かつ、Linuxにおいてファイルはただのバイトの流れであって内部データ構造について関与しないという特徴があるため、私たちはさまざまな種類のファイルを扱えるツールを作成できるのです。

ファイルシステムが提供する統一されたインタフェースは、ユーザの思考負荷を軽減するため、Linuxの使い方をより早く覚えられます。 ...

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