グラフデータベース ―Neo4jによるグラフデータモデルとグラフデータベース入門

付録BNeo4j以外のグラフデータベース †1

[†1] この付録は日本語版用に大岩尚宏氏により執筆されたものです。

グラフデータベースとして最も有名なのは、本書で取り扱っているNeo4jです。しかし他にも多くのグラフデータベースが存在し（図1-3参照）、システムの規模や構成によって、適切なものを選択する時代になるかもしれません。

本付録では、Neo4j以外のグラフデータベースを紹介するとともに、現状やトレンドなども紹介します。後半ではオープンソースグラフデータベースのTitanの使用方法と、グラフフレームワークのTinkerPopについて詳しく説明します。

B.1　商用のグラフデータベース

まずは商用のグラフデータベースであるInfiniteGraphとSparkseeを紹介します。

B.1.1　InfiniteGraph

InfiniteGraph（http://www.objectivity.com/infinitegraph）は米国Objectivity社が開発したNoSQLデータベースで、日本では日本システムウエア株式会社が代理店として販売しています（http://www.nsw-cloud.jp/cloud/service/bigdata/infinitegraph/）。

評価版があり、60日間無償で使用できます。Windows、Linux、Mac OSのそれぞれ32/64bitで動作します。基本機能に加えて、複数ユーザからのアクセスを排他制御するLock Serverやグラフデータベースのバックアップ、リストア機能があり、後述するBlueprintsに対応しています。同社が開発した分散グラフデータベース処理エンジンのObjectivity/DBと組み合わせて利用することで、複数のデータベースを1つのデータベースのように扱うFederated ...