6章チャットボット

1台の機械で、凡人50人分の仕事ができる。

一人の天才の仕事は、どんな機械にもできない。

—— エルバート・ハバード

チャットボットは、インタラクティブなシステムであり、ユーザーは自然言語で対話できます。一般的にはテキストで対話しますが、音声インターフェイスも利用できます。2016年の初めに、チャットボットの第一波が押し寄せ、その後すぐに普及しました。Facebook Messenger、Google Assistant、Amazon Alexaなどのプラットフォームは、チャットボットの一例です。今では、開発者たちはチャットボット構築用のツール[1]を使って、自社のブランドやサービス用のチャットボットを作ることができ、顧客はメッセージングプラットフォームの中でチャットボットをいつでも使えるようになっています。

チャットボットが社会に登場したことで、テクノロジーの新しい時代、つまり会話型インターフェイスの時代が始まりました。会話型インターフェイスでは、スクリーンもマウスも必要としないインターフェイスを実現します。クリックやスワイプをする必要がなく、音声だけで十分なのです。将来的には、インターフェイスは完全に会話型になり、その会話は友人や家族との会話と区別がつかないものになるでしょう。チャットボットはテキストを扱うので、ユーザーの応答を理解し、適切な返信をすることが重要です。テキストの理解から生成まで、NLPが重要な役割を果たしていることが、本章を通してわかります。

チャットボットの歴史と、人工知能の歴史は深い関連があります。1950年代から60年代にかけて、コンピュータ科学者のアラン・チューリングとジョセフ・ワイゼンバウムは、コンピュータが人間のようにコミュニケーションするというコンセプトを考えていました。その後、1966年にワイゼンバウムは世界初の雑談ボット「 ...

Get 実践 自然言語処理 ―実世界NLPアプリケーション開発のベストプラクティス now with the O’Reilly learning platform.

O’Reilly members experience books, live events, courses curated by job role, and more from O’Reilly and nearly 200 top publishers.