11章画像変換

11.1 概要

前章では、コンボリューションという観点から具体的に理解できる画像変換を扱いました。もちろん、この方法(すなわち、小さな領域で画像上を走査して何らかの処理を行う方法)で表現できない便利な演算もたくさん存在します。一般的に、コンボリューションで表現できる変換は局所的です。つまり、コンボリューションによって画像全体を変更する場合であっても、ある特定のピクセルへの効果はその周りの少数のピクセルだけから決定されるということです。本章で扱う変換のほとんどは、このような性質のものではありません。

非常に便利な画像変換のいくつかはシンプルで、みなさんがよく使うものです(例えば、リサイズなど)。それ以外のものは、より特殊な目的を持つ変換です。本章で見ていく画像変換は、ある画像を別の画像に変換するような処理です。出力画像のサイズが入力画像と異なる場合もよくありますが、本質的な意味では、出力画像も入力画像と同じようにピクセルが並んだ「絵」です。「12章 画像解析」では、画像をまったく異なる表現で描画する可能性がある演算について説明します。

コンピュータビジョンでよく使われる便利な変換はたくさんあります。OpenCVはその中でも、何度も使われるものについては全部実装していますし、自分でより複雑な変換を実装する手助けとなる道具も提供しています。

11.2 拡大、縮小、ワープ(歪曲)、回転

最も簡単な画像変換は画像のリサイズでしょう。これは大きくする場合と小さくする場合があります。これらの操作はみなさんが考えているほど単純ではありません。というのも、リサイズを行おうとするとまず、どのようにピクセルを補間するか(拡大の場合)、あるいは省略するか(縮小の場合)、という問題につながるからです。 ...

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