23章OpenCVの今後
23.1 過去と現在
OpenCVは1999年8月、CVPR(Computer Vision and Pattern Recognition)カンファレンスで始まりました(本書の出版をさかのぼること17年前のことです)。Gary Bradskiは、コンピュータビジョンの実際のアプリケーションにおける研究と使用の促進という目的のもと、OpenCVに対する資金提供をIntelから得ました。当初の計画どおりにいくことなど人生にもほんの少ししかありませんが、OpenCVはその「ほんの少し」の1つでした。本書の執筆時点では、OpenCVはほぼ3,000の関数を持ち、1,400万件のダウンロードがあり、ダウンロード数も月あたり20万件以上に増えています。数百万の携帯電話でも日々使われ、バーコードを認識し、パノラマを貼り合わせ、コンピュテーショナルフォトグラフィを通して画像をよりよくしているのです。OpenCVはロボットシステムでも使われており、ROS(Robotics Operating System)に組み込まれ、レタスをつまんだり、ベルトコンベア上の商品を認識したり、車の自動運転の視覚を手助けしたり、ドローンを飛ばしたり、仮想現実や拡張現実システムにおけるトラッキングや地図作成を行ったり、流通センターのトラックや荷台からの荷下ろしを手伝ったりしています。あるいは、鉱山での作業を安全に行えるようにしたり、プールでの事故を防いだり、Googleマップやストリートビューの画像を処理したり、Google Xのロボット技術を実装するアプリケーションで使われたりしています(これでもまだ一部の例を挙げただけです)。
本書の前の版以降、OpenCVは、C言語からSTLとBoostに互換で、モジュール化したC++に再構築されました。そしてこのライブラリは、Git( ...
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