8章基本的な組み込みモジュールと標準ライブラリモジュール

Pythonでは、組み込みという用語に複数の意味がある。多くの場合、組み込みとは、import文を使うことなくPythonコードに直接アクセスできるオブジェクトを意味する。7.1.1.3項では、この直接的なアクセスを可能にするPythonのメカニズムを紹介した。Pythonの組み込み型には、数値、シーケンス、ディクショナリ、セット、関数(3章)、クラス(4.1.1項)、標準例外クラス(6.6節)、モジュール(7.1節)が含まれている。11.1節では、ファイルを取り上げる。14.4節では、Pythonの内部演算に本質的に関連するその他の組み込み型を取り上げる。本章では、8.1節で基本的な組み込み型をさらに取り上げ、8.2節builtinsモジュールが提供する組み込み関数を取り上げる。

モジュールの中には、Python拡張とも呼ばれるアドオンモジュールとは対照的に、Pythonの標準ライブラリに含まれているために「組み込み」と呼ばれるものがある(ただし、それらのモジュールを使うには、import文が必要である)。

本章では、基本的な組み込みモジュール —— 具体的には、標準ライブラリモジュールsyscopycollectionsfunctoolsheapqargparseitertoolsを取り上げる。モジュールxについては、「xモジュール」節で説明する。

9章では、文字列関連の基本的な組み込みモジュール(stringcodecsunicodedata)を同じ名前の節で説明する。10章では、reモジュールを10.1節で取り上げる。

8.1 組み込み型

表8-1は、Pythonの基本的な組み込み型を簡単にまとめたものである。これらの型の多くと、そのインスタンスでの演算については、 ...

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