まえがき
データ至上主義では、森羅万象がデータの流れからできており、どんな現象やものの価値もデータ処理にどれだけ寄与するかで決まるとされている。(中略)データ至上主義はこうして、動物と機械を隔てる壁を取り払う。そして、ゆくゆくは電子工学的なアルゴリズムが生化学的なアルゴリズムを解読し、それを超えうる働きをすることを見込んでいる。
—ユヴァル・ノア・ハラリ『ホモ・デウス(下)』(河出書房新社、柴田裕之訳、2018)
金融マーケットで自動的にうまくトレードをする適切なアルゴリズムを見つけることが、金融における聖杯です。少し前まで、アルゴリズムを使ったトレードは、資金力があり、多くの資産を管理している機関投資家だけが利用できるものでした。オープンソース、オープンデータ、クラウドコンピューティング、クラウドストレージ、オンライントレードプラットフォームの分野での近年の発展により、小規模な機関投資家や個人トレーダーもが参加できるようになりました。一般的なノートパソコンやデスクトップパソコンと、信頼性の高いインターネット接続があれば、この魅力的な学問を始めることができるのです。
今日、Pythonとその強力なパッケージのエコシステムは、アルゴリズムトレードのためのテクノロジープラットフォームとして一般的に好まれています。とりわけ、Pythonを使えば、効率の良いデータ分析(例:pandas、https://pandas.pydata.org/)や、機械学習を株式マーケットの予測に適用したり(例:scikit-learn、https://scikit-learn.org)、Googleの深層学習技術(例:TensorFlow、https://www.tensorflow.org)を利用したりすることができます。 ...
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