付録Bデータプロジェクトチェックリスト

 有用なデータプロジェクトを達成するには、正確なモデルを訓練する以外にもさまざまなことを考える必要がある。Jeremyがコンサルティングをしていたときには、組織がデータプロジェクトを行っているコンテクストを図B-1に示した観点で理解するようにしていた。

戦略

組織は何をしようとしているのか(目的)、どうしたらより良くできるか(レバー)?

データ

組織は必要なデータを取得していて、それが利用可能になっているか?

解析

組織にとって有用な知見はどういう種類のものか?

実装

利用できる組織の能力は何か?

維持管理

運用環境の変化を検出できるシステムは何か?

制約

上に掲げたそれぞれの領域で、考慮しなければならない制約は何か?

図B-1 解析のバリューチェーン

図B-1 解析のバリューチェーン

 Jeremyは課題のリストを作り、プロジェクト開始前に顧客に提示し、プロジェクトを通じて、質問への答えを改善するようにした。この質問リストは、農業、鉱業、金融業、醸造業、テレコム、販売など、さまざまな産業におけるプロジェクトに関する数十年の経験に基づくものだ。

 課題のリストでは、解析のバリューチェーンに立ち入る前に、データプロジェクトにおける最も重要な従業員に触れている。課題のリストの最初の項目は、データサイエンティストに関するものだ。

B.1 データサイエンティスト

 データサイエンティストには、上級管理職へ昇進する経路が明示されていなければならない。また、データの専門家を直接上級管理職として雇用する計画があるべきだ。データ駆動型の組織においては、データサイエンティストこそが最も高給の従業員であるべきだ。組織内のデータサイエンティストが協調し相互に学べるようにシステムを構築するべきだ。 ...

Get PyTorchとfastaiではじめるディープラーニング ―エンジニアのためのAIアプリケーション開発 now with the O’Reilly learning platform.

O’Reilly members experience books, live events, courses curated by job role, and more from O’Reilly and nearly 200 top publishers.