リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック

4章美しさ

雑誌のレイアウトには多くの考えが詰め込まれている。段落の長さ。横幅。記事の順番。表紙。優れた雑誌というのは、ページを飛ばして読めるようになっているし、順番に読めるようにもなっている。

優れたソースコードは「目に優しい」ものでなければいけない。本章では、コードを読みやすくするための余白・配置・順序について説明しよう。

具体的には、ぼくたちが使っている3つの原則についてだ。

• 読み手が慣れているパターンと一貫性のあるレイアウトを使う。
• 似ているコードは似ているように見せる。
• 関連するコードをまとめてブロックにする。

美しさと設計

本章では、コードの単純な「美しさ」の改善を扱う。こうした変更は取り組みやすいし、コードがすごく読みやすいものになる。大きなリファクタリング（新しい関数やクラスの導入など）がもっとうまくいくようになることも多い。ぼくたちは、美しさと優れた設計は独立した考えだと思っている。できればその両方を追求してもらいたい。

4.1　なぜ美しさが大切なのか？

以下のようなコードを使わなければいけないとしよう。

class:class StatsKeeper { public: // doubleを記録するクラス void Add(double d); ...