まえがき

ROS(Robot Operating System)はロボットにさまざまな動作をさせるためのオープンソースフレームワークです。ROSはロボットを作る人、使う人、それぞれに必要な共通のプラットフォームを提供することを目的としています。この共通プラットフォームを通じ、人々はコードを共有し、アイデアがより短期間で実現できるようになります。またおそらくより重要な点として、自作のロボットが動き始める前に、ソフトウェア基盤の開発に何年も費やす必要がなくなるのです!

ROSは驚くほどの成功を収めています。この「まえがき」を書いている時点で、600人近い人々によって開発され、維持されている2,000以上のソフトウェアパッケージがROSより公式に配信されています。およそ80の市販されているロボットがROSをサポートしており、また少なくとも1,850の研究論文がROSについて触れています。もはやすべてをスクラッチから書き上げる必要はありません。とりわけROSをサポートするロボットの1つを採用すれば多くはすでに整っています。ビット操作やデバイスドライバーに時間を使うのではなく、より多くの時間をロボット工学のために費やせます。

ROSは複数の構成要素によって成り立っています。

  1. 抽象化され、わかりやすく定義されたドライバー群。ドライバーはセンサーからデータを読み、モーターやその他アクチュエーターにコマンドを送ります。近年増えてきている市販のロボットシステムを含む、一般的なハードウェアの多くを幅広くサポートしています。
  2. さまざまな、そして、現在も増加している、ロボット工学に基づいたアルゴリズム群。周辺マップの構築、地図を用いた移動、センサーデータの解釈や表現、モーターの操作、物体の操作やその他さまざまなアルゴリズムが利用できます。ROSはロボット工学の研究分野で非常に多く使われており、さまざまな最先端のアルゴリズムがROS上で利用可能になっています。 ...

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