15章新しいセンサーとアクチュエーター

これまでは、ROSがすでに扱うことができるセンサーやアクチュエーターのハードウェアを使用する方法に目を向けてきました。ROSはよく知られたセンサーやアクチュエーターを幅広くカバーしていますが、すべてをカバーしているわけではありません。新しいハードウェアが出てくれば、皆さん自身でそれをROSに取り込む必要があります。そうすることで、コミュニティー全体でそれを使えるようになるのです。

本章では、ROSのエコシステムに新しいセンサーやアクチュエーターを統合する方法を紹介します。この作業は、皆さんが普段これらのデバイスにアクセスするのに使っているAPIを包むROSのラッパーを書くことなどが主であり、比較的簡単です。まずは、新しいセンサーを追加することから始めましょう。

15.1 新しいセンサーを追加する

ROSに新しいセンサーを追加するにはどうすればよいのでしょうか? 本書では、このセンサーはすでに、測定値を取得するためのPythonのAPIを持っており、皆さんはこのAPIの使い方は知っているものとします。また、配線はすべて正しくされており、APIを使うことでセンサーから値を正しく読み取ることができているとします。これは当たり前のことのように思えますが、ROSにセンサーを組み込み始める前にはいつも、センサーが期待どおりに機能していることを確認するようにしてください。センサーが機能していることがわかっていれば、うまく動作しないことはすべてROSのラッパーでの問題になるので、デバッグが楽になります。

15.1.1 (擬似)センサー

本章では、単純なAPIを持つ擬似センサー(FakeSensorと呼ぶ)を使っていきます。このPythonのクラスは実際のセンサーをシミュレートし、これを用いることでハードウェアを購入しなくても、センサーをROSに組み込む方法を示すことができます。このセンサーは本物のセンサーではありませんが、本物のセンサーが持つようなAPIを持っています。 ...

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