3章Rのオブジェクト

この章では、Rを使って52枚のトランプカードのデッキを組み立てます。

まず、トランプカードを表現する簡単なオブジェクトを構築してから、本格的なデータテーブルに進みます。一言で言えば、Excelスプレッドシートと同等のものを0から作ります。完成すると、カードデッキは次のようなものになります。

  face   suit value
  king spades    13
 queen spades    12
  jack spades    11
   ten spades    10
  nine spades     9
 eight spades     8
...

Rでデータセットを作るためには、0からデータセットを作り上げていかなければならないのでしょうか。いいえ、そんなことはありません。ほとんどのデータセットは、1ステップでRにロードできます。「3.9 データのロード」を参照してください。しかし、この課題を行うと、Rがどのようにデータを格納するのか、また独自データセットをどのように組み立てたり解体したりすればよいのかがわかります。また、Rで使えるさまざまなオブジェクトの型について学ぶこともできます(すべてのRオブジェクトが同じだというわけではありません)。この課題は通過儀礼のようなものだと考えてください。この課題に取り組み、解決することによって、Rのデータ格納のエキスパートになれるのです。

最初はごく基本的なことから始めます。Rでもっとも簡単なオブジェクトはアトミックベクトルです。アトミックベクトルは原子力とは関係なく、ごく単純であらゆるところに顔を出します。さらに、細かく見ていくと、Rのほとんどのデータ構造は、アトミックベクトルから組み立てられていることがわかります。

3.1 アトミックベクトル

アトミックベクトルは、単純なデータのベクトルです。実際、読者はすでにアトミックベクトルを作っています。第Ⅰ部の ...

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