4章Rの記法
トランプのデッキが手に入ったら、それをトランプらしく操作する方法が必要になります。まず、デッキは繰り返しシャッフルすることになるはずです。そして、デッキからカードをディール(配布)したいところでしょう(一度に一枚ずつ、一番上にあるカードからです。ズルをしようとは思っていません)。
こういったことをするためには、データフレームの中の個別の値を操作できなければなりません。これは、データサイエンスの基本作業です。たとえば、デッキの一番上のカードを配るには、次のようにデータフレームの第1行目の値を選択する関数を書く必要があります。
deal(deck) ## face suit value ## king spades 13
Rオブジェクトに含まれる値は、Rの記法を駆使すれば選択できます。
4.1 値の選択
Rは、Rオブジェクトから値を抽出できる記法を持っています。データフレームから値、または値のグループを抽出するには、次のようにデータフレーム名を書いた直後に角カッコを続けます。
deck[ , ]
角カッコの間には、カンマで区切られた2つの添字を入れます。添字はRに対してどの値を返すべきかを指示します。Rは、第1の添字を使ってデータフレームの行の一部を選び、第2の添字を使って列の一部を選びます。
添字の書き方にも選択肢があります。Rで添字を指定するための記法は6種類あり、それぞれ少しずつ異なります。どれも非常に単純で手軽なので、1つずつ紹介します。添字は、次のもので指定できます。
- 正の整数
- 負の整数
- ゼロ
- スペース
- 論理値
- 名前
これらの中でもっとも簡単なのは、正の整数を使う方法です。
4.1.1 正の整数
Rは、正の整数を線形代数におけるij記法と同じように扱います。そこで、 ...
Get RStudioではじめるRプログラミング入門 now with the O’Reilly learning platform.
O’Reilly members experience books, live events, courses curated by job role, and more from O’Reilly and nearly 200 top publishers.