9章ループ

ループは、仕事を反復するためのRの方法です。Rはループ機能を持つため、シミュレーションのプログラミングに役立つツールになっています。この章では、Rのループツールの使い方を学びます。

score関数を使って現実の問題を解決しましょう。

このスロットマシンは、詐欺だと非難された実際のマシンをモデルにして作られています。このマシンは1ドルあたり40セントずつ払い戻しているように見えました。しかしメーカーは1ドルあたり92セント払い戻していると主張していました。scoreプログラムを使えば、実際の払戻率を計算できます。払戻率は、スロットマシンの賞金の期待値です。

9.1 期待値

無作為な事象の期待値は加重平均の一種です。期待値は、個々の可能な事象が持つ値にその事象が発生する確率を掛けたものの合計です。

期待値は、スロットマシンを無限回プレイしたときに得られる賞金の平均額だと考えることができます。この式を使って単純な期待値を計算してみましょう。次に、その式をスロットマシンに適用します。

第Ⅰ部で作ったサイコロのことを思い出してみてください。

die <- c(1, 2, 3, 4, 5, 6)

私たちがサイコロを振るたびに、サイコロは無作為に選択された値を返します。サイコロを振ったときの期待値は、次の数式で計算できます。

ここで、dieiは、サイコロを振ったときに得られる値で、1、2、3、4、5、6です。そしてP(diei)は、それぞれの値が出る確率です。サイコロが歪みがなければ、どの値も1/6という同じ確率で発生するはずです。そこで、私たちの式は、次のように単純化されます。 ...

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