3章スクワッドに権限を与える

この章では、テック企業でプロダクトを開発するエンジンとなる存在である、少人数の、自律した、必要な権限を持ったチームを扱う。Spotifyではそういうチームをスクワッド(Squad)と呼んでいる。

スクワッドの仕組みを学ぶと、よりすぐれた、品質の高いプロダクトを構築できるようになるだけではなく、テック企業はどうやって望ましい意思決定を下し、作業の引き継ぎを減らし、他チームとの仕事の調整を簡単にしているのかも理解できる。つまり、全員でもっと速く進むにはどうすべきかがわかる。

テック企業ではチーム編成が成功を左右する。エンタープライズ企業によくあるアジャイルチームとスクワッドとを比較することで、「権限付与と信頼」という考え方がどれだけ有効なのかを理解してもらえると思う。

3.1 スクワッドとは?

スクワッドとは、少人数で、職能横断(Cross-Function)の、自己組織化されたチームだ(多くの場合、8名以下で編成される)。スクワッドは同じオフィスに席を並べて、自分たちが作ったプロダクトの隅々まですべてに責任を持つ。

自律した小さなチームがテック企業の運営で果たす役割がどれだけ重要なのかは、いくら強調してもしすぎることはない。自律した小さなチームはテック企業のあらゆる活動の中心だ。新規プロダクトの開発、新たな市場への参入、株式公開の準備。どの場合であっても、テック企業では自律した小さなチームがその中心にいる。それはテック企業に次のような信念が深く根ざしているからだ。 ...

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