6章文字列
本章では、SQLにおける文字列操作を取り上げます。SQLは複雑な文字列操作を実行するようには設計されていないので、SQLで文字列を操作するのは面倒でイライラすることもあるでしょう。SQLには制限があるにもかかわらず、多くのRDBMSでは便利な組み込み関数が用意されているので、それらを工夫して使っていきます。特に本章は、「はじめに」で伝えようとした「SQLは良いものであり、悪いものであり、醜いものである」というメッセージを象徴するものです。本章を読み、SQLで文字列を扱う際にできることとできないことをよく理解してもらえればと思います。多くの場合、文字列のパースと変換がとても簡単なので驚くでしょう。一方ではある特定の処理を行うのに必要となるSQLの種類にうんざりすることもあるでしょう。
以降の多くのレシピでは、TRANCATE
関数とREPLACE
関数を使います。現在ではTRANCATE
関数とREPLACE
関数は本書で扱うすべてのRDBMSで使うことができますが、MySQLだけは例外で、REPLACE
しかありません。しかしMySQLの場合には、ネストされたREPLACE
関数を使ってTRANSLATE
の効果を再現できることを指摘しておきます。
レシピ6.1はとても重要で、この後のいくつかの解決策で利用します。多くの場合、文字列の中を一度に1文字ずつトラバースする機能が欲しいでしょう。残念ながら、SQLでは簡単にはできません。文字列内をトラバースするには、SQLで提供されている限られたループ機能を使って文字を反復処理する必要があります。本書ではこの操作を「文字列の反復処理」と呼び、レシピ6.1でその手法を説明します。これはSQLの文字列パースの基本的な操作です。本章のほぼすべてのレシピで参照され使われています。この手法がどのように機能するかをしっかりと理解することを強くお勧めします。 ...
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