20章SREチームのライフサイクル

執筆:David Ferguson、Prashant Labhane

協力:Shylaja Nukala

本書「はじめに」では、「SREが『Googleの規模』や『Googleの文化』でのみ実施できることだという誤解を晴らすこと」という目標を設定しました。本章は、スタッフが不足している野心的な組織から、様々な成熟度のステージを通じて、頑健で(場合によっては)グローバルに分散したSREチーム群へとSREの組織を成熟させるロードマップを示します。SREの組織としての旅路のどこに皆さんがいるにしても、本章はSREの組織を進化させるための戦略を決める役に立つでしょう。

本章では、この旅路の各ステージで必要なSREの原理について述べます。皆さん自身の旅路は組織の規模、性質、地理的な分散の様子に応じて様々ですが、本章で述べるSREの原理やSREのプラクティスの実践に適用できる経路は、様々な組織に汎用的に当てはめられるでしょう。

20.1 SREなしでのSREの実践

SREがない場合であっても、SLOを使うことによってSREのプラクティスはできます。本書2章で述べたように、SLOはSREのプラクティスの基盤となるものであり、SLOはSREの最初の原理を特徴付けます。

[注記]

原理 #1

SREは重大な結果を伴うSLOを必要とする。

SLOに照らし合わせたサービスのパフォーマンスは、ビジネス上の判断を導いてくれるはずです。私たちは、以下の実践がSREのプラクティスを行うための重要なステップと信じています。これらは、SREが1人もいなくても達成できるでしょう。 ...

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