22章成功の文化としてのSRE

Kurt Andersen(LinkedIn)

サイトリライアビリティエンジニアリング(SRE)の業務やサイトリライアビリティエンジニア(やはりSRE)が論じる職業上の懸念事項について書かれたものを読み漁ると、中心となる概念は分散コンピューティングシステムにおける障害や障害の結果、あるいは障害の削減や障害の回避だという印象を即座に抱くかもしれません。しかし、SREが最も高い生産性と価値を示すのは、障害の防止や軽減に集中するときではなく、ビジネスにおける成功の実現に集中するときです。Peter Sengeは、サイトリライアビリティエンジニアリングの特徴である重要なメンタルシフトを的確に指摘しました。

部分を見ることから全体を見ることへ……現在に対応することから将来を創造することへという気持ちの変化†1

[†1] Senge, Peter M. (1990). The Fifth Discipline: The Art and Practice of the Learning Organization. London: Random House. 日本語版『学習する組織:システム思考で未来を創造する』枝廣淳子、小田理一郎、中小路佳代子 訳、英治出版、2011年[翻訳注:上記の引用は本書独自の翻訳です。]

SREのメリットを最大限に発揮させるには、ユーザーが満足するビジネスメトリクス(サービスレベル)の確実な提供に向けて、サービス全体のライフサイクルを最適化する業務遂行能力をチームが持てるようにする文化的な変化が求められます。SREのチームとプラクティスは、これらを支える企業文化との連携が取れているときに最も有効性が高まります。企業においてSRE業務の価値を最大限に引き出すためには、アイディエーションから廃止までサービスのライフサイクル全体で、サイトリライアビリティが最初から検討される状況を確立することも重要です。 ...

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